ARKの新しい宇宙関連ETF:ARKX、上位組み入れ銘柄を勝手に予想してみる[完全版]

2021年1月半ば、ARKは宇宙関連ETFの立ち上げを表明。その話題で市場は持ちきりになりました。ただ、宇宙関連、といっても、ものすごく範囲が広くてファジー。さらに私の感覚では、本命馬はことごとく非上場という状況でどういった組み合わせになるのかな、と考えながら書いてみたのがnoteの記事でした。

note(ノート)

この記事の後日談としてまとめたARKXトップ10銘柄予想。市場考察や類似ETF分析など、この記事をもとにさらに調査を進…

今回はこの、noteの記事をさらに深堀りして、3月29日に上場予定のARKXの上位組み入れ銘柄を再度予測してみたいと思います。

目次

宇宙産業とは?

宇宙関連銘柄、というと、わたしはだいたいこれを思い浮かべました。

ガンダムの世界。モビルスーツや艦船や、それを建設する環境全般。しかし、今はコロニーはおろか、宇宙を自由に行き来する技術もないわけです。ということで、現状の宇宙関連とは何か、というと、「人工衛星」「地上設備」「打ち上げ」と大きく分けて3つの分野があるようです。さらに細かいのは、Bryce Space and Technologyのまとめを参照のこと(以下)。

 

現状は宇宙産業というよりも「人工衛星産業」と言った方がいいでしょう。

ARKXのアウトライン

ARKはARKXの説明で、以下のようなことETFの特徴としてまず書いています。

再利用可能なロケット、衛星、ドローン、その他の軌道および準軌道航空機などの宇宙関連ビジネスに関与する企業へのエクスポジャーを提供しようとしています。これらの革新は、ロジスティクス、観測、農業、通信、ドローンを変革し、火星に人間を置く可能性さえあります。

 

このアクティブファンド戦略は、宇宙探査に焦点を当てた企業の国内外の株式に投資することにより、長期的な資本成長を目指しています。かつて独占的で官僚的な産業であったものは、ロケットと衛星の両方のコスト低下によってひっくり返されています。ディープラーニング、モバイル接続、センサー、3D印刷、ロボット工学の進歩の結果、数十年に及ぶバルーニングコストは傾向を逆転させ、減少し始めており、衛星の打ち上げとロケットの着陸が急増しています。

で、そのあとにカテゴリーリストがありました。

 Reusable Rockets
 Orbital Aerospace
 Suborbital Aerospace
 Aerial Drones
 3D Printing
 Enabling Technology

ARKXは、宇宙開発を促進した技術やとりくみが、だいたい上記の6つのテーマに分類される、としています。それぞれで代表的な会社名がすでに、頭に浮かんできますよね。

ARKX紹介ページの関連記事は3つ。

Hypersonic Flight Could Evolve Into a $270 Billion Market
極超音速飛行は2700億ドルの市場に発展する可能性
by Sam Korus, Analyst(ARKXを担当することになった) November 12, 2019
https://ark-invest.com/articles/analyst-research/hypersonic-flight-market/
ヴァージンギャラクティックの極超音速旅行機開発の可能性についての考察

Why New Space is an Exciting Opportunity
新しい宇宙がエキサイティングな機会である理由
by Sam Korus, Analyst(ARKXを担当することになった) August 03, 2018
https://ark-invest.com/articles/analyst-research/new-space/
当時比10倍の人工衛星が打ちあがり、関連ビジネスが活況を呈するだろう、という記事

Reusable Rockets: At the First Stage
第一段目にある再利用可能なロケット
by Sam Korus, Analyst
September 13, 2016
https://ark-invest.com/articles/analyst-research/reusable-rockets/
Space X の再利用ロケット開発の考察

 

これらの記事から、ARKXはやっぱり「人工衛星産業」にフォーカスをしながら、Space Xが実現している再利用ロケットなど、破壊的イノベーションによって宇宙コストを劇的に下げて経済をまわす関連技術全般に積極的に投資していく、という方向性を感じます。

ただ、やっぱりこれだけでは銘柄がどんなものになるのかまったくわかりません。かつ、本命視の会社はほとんどが非上場。どうやって構成していくのでしょうか。そこでSECに提出したARKXの目論見書(N-1)から、改めてヒントを探ってみました。

N-1

ETFのS-1がこれだそうで、さっそく読んでみました。すると、おもしろいことが結構書いてあって、そのほとんどがリスクファクターにありました。

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1579982/000110465921003837/tm212832d1_485apos.htm#h_003

アクティブ、2セクターのみ。40~55銘柄など重要情報

ほかの投資家や記者によるARKXの考察記事を読んでみたのですが、意外と以下のことが抜けていました。わたしも最初の考察記事はここを書いていなかったです。

アクティブファンドである
②資産の少なくとも80%は現金以外のものになる
③40~55の普通株(国内およびADR)になるだろう
④25%以上の構成比率は、情報技術と工業株に集中させる

とくに③については、「55」なんて半端な数が出てくるのが怪しい。すでに55銘柄まで選考は済んでいる、とみなしていいのではないか、と思いました。また、ADRについてもあえて言及していますので、海外株を買う可能性も高いです。④はさらに重要です。投資対象は「Industrial」「Information Technology」とはっきり書いていますので、小売りなどは入らない、ということになります。

「●●のリスク」=そこに属する銘柄を買う、という宣言

投資におけるリスク解説で、ARKは以下の分野やテーマについてリスク解説を行っています。ここで宣言したセクターは当然ながら買う対象だからこそ解説をしているわけで、どういったものが対象になっているかを明確に示しています。それらをリストしてみましょう。

プロフェッショナルサービス会社のリスク。専門サービス会社は、経済状況および関連するマーケティング、ビジネス、テクノロジー、その他のコンサルティングサービスに対する顧客の需要の変動によって重大な影響を受ける可能性があります。(中略)市場への参入障壁は比較的少なく、新しい競合他社は1つ以上の市場セグメントで容易に競争しようとする可能性があり、価格圧力と市場シェアの喪失を通じてプロフェッショナルサービス会社の業績に悪影響を与える可能性があります。

→コンサルティングサービス
→サブスクで顧客をかこっているが競合が多い企業への投資の可能性

航空宇宙および防衛会社のリスク。航空宇宙および防衛産業の企業は、製品およびサービスに対する米国(およびその他の)政府の需要に大きく依存しており、政府の規制や支出の変更、経済状況、業界の統合、その他の災害の影響を大きく受ける可能性があります。

→軍需に依存している企業の投資の可能性

産業部門のリスク。産業部門には、航空宇宙および防衛、電気工学、機械、および専門サービスに従事する企業が含まれます。includes companies engaged in
  aerospace and defense,
  electrical engineering,
  machinery, and
  professional services.

→サブセクターでこの分野から選出する

インターネット会社のリスク。多くのインターネット関連企業は、創業以来大きな損失を被っており、市場シェアを獲得し、将来の収益を生み出すことを期待して、引き続き大きな損失を被る可能性があります。したがって、そのような企業の多くは、当面の間、重大な営業損失を被ると予想しており、決して利益を生まない可能性があります。

→決算が赤字でも買い向かうことを示唆している

半導体会社のリスク。競争圧力は半導体企業の財政状態に重大な影響を与える可能性があり、製品サイクルが短縮され、製造能力が増加するにつれて、これらの企業はますます積極的な価格設定の対象となり、収益性を妨げる可能性があります。

→半導体関連を買いますよ

ソフトウェア業界のリスク。ソフトウェア業界は、激しい競争、積極的な価格設定、技術革新、および製品の陳腐化によって大きな影響を受ける可能性があります。

→軍用のソフトよりも民間向けのものを指すような気がする

大資本企業のリスク。大資本企業は一般に、時価総額が小さい企業よりも変動が少ないです。この潜在的に低いリスクと引き換えに、時価総額の大きい企業の価値は、時価総額の小さい企業の価値ほど上昇しない可能性があります。

→時価総額が大きい会社の株を持つ、ということ

テクノロジーセクターのリスク。テクノロジーセクターには、インターネットソフトウェアとサービス、テクノロジーハードウェアとストレージ周辺機器、電子機器機器とコンポーネント、および半導体と半導体機器に従事する企業が含まれます。

→このセクターに投資するってことでしょう。

純投資収益からの配当は、もしあれば、ファンドによって宣言され、少なくとも年に一度支払われます。正味実現キャピタルゲインの分配は、もしあれば、通常、年に1回宣言され、支払われますが、トラストは、1986年の米国内国歳入法の分配要件に準拠するために、より頻繁に分配を行う場合があります。

→基本年1回だが、場合によっては複数回になるだろう =配当を実施している銘柄に投資する可能性が高い

ARKXのトップ10銘柄を具体的に選んでみる(宇宙編

これらの条件をもとに、参考になるETFやとりくみを以下にリストしてみます。

NASAが選んだ月面探査計画の11社

NASAは2024年に達成したいとしている有人月面調査で、その協力企業11社を選出、発表しました。

AJRD  Aerojet Rocketdyne
未上場 Blue Origin
BA   Boeing
未上場  Dynetics
LMT  Lockheed Martin
未上場  Masten Space Systems
MAXR関連  Maxar Technologies(formly SSL)
NOC関連  Northrop Grumman Innovation Systems
未上場  OrbitBeyond
未上場  Sierra Nevada Corporation
未上場  SpaceX

未上場企業ばっかりですが、超大企業も名を連ねていて極端な感じがします。

 BA  ボーイング *次点扱い

赤字企業OKなら、その筆頭候補はボーイングです。月面探査にリストされ、スペースシャトル以降実施されていなかった有人宇宙飛行計画(スターライナー)でまずまずの成果、そして後述するアエリアルドローンでの構想など、幅広い分野でARKX銘柄たりうる条件が備わっています。N1で取り上げている配当も実施しています。ただ、ほかの銘柄候補と比べると実績が弱い印象があり、最初のインパクトを取る興行的にはあまりフィットしない銘柄かもしれません。

 AJRD  Aerojet Rocketdyne *次点扱い

NASAのアルテミス計画で、月に有人探査船を送るためのロケットを開発する同社は、2015年以来NASAとの総契約額が35億ドルを突破し(2021年2月時点)、宇宙産業で売上高を稼ぐ会社としては高額にランクされる企業です。が、後述する宇宙系ETFでの人気はそうでもなく(ROKTはロケット開発筆頭なので1位ですが)、どちらかというと軍需系カラーの濃い銘柄でトップ10に入るだけのインパクトは薄いかもしれません。

UFO

ARKXの構成銘柄予想でまずピックアップされているのが、PROCURE SPACE ETF(ティッカー・UFO)です。構成銘柄が徐々に変化していってますので、2021年2月11日現在の構成銘柄トップ20までをリストしてみます。

GILT   GILAT SATELLITE NETWORKS LTD SHS NEW
SPCE   VIRGIN GALACTIC HOLDINGS INC COM
VSAT   VIASAT INC
LORL   LORAL SPACE & COM INC
MAXR   MAXAR TECHNOLOGIES INC
IRDM   IRIDIUM COMMUNICATIONS INC
ORBC   ORBCOMM INC
TRMB   TRIMBLE INC
SATS   ECHOSTAR CORP
AVIO   IM AVIO SPA
GRMN   GARMIN LTD
ETL   FP EUTELSAT COMMUNICA
SIRI   SIRIUS XM HOLDINGS INC
9412   JP スカイパーフェクトJSAT H
4825   JP ウエザーニューズ
DISH   DISH NETWORK CORPORATION
SESG   FP SES SA
CMCSA   COMCAST CORP NEW
RTX   RAYTHEON TECHNOLOGIES CORP
LMT   LOCKHEED MARTIN CORP

ROKT

SPDR S&P Kensho Final Frontiers ETFも宇宙関連ですが、「深宇宙と深海の探査」というちょっと方向が違うけど似た技術を使っている企業をとりあげていこう、というETFで、宇宙関連のヒントを得るのに十分なETFです。最新の構成銘柄は、以下の通り。

 AJRD  Aerojet Rocketdyne Holdings Inc
 MAXR  Maxar Technologies Inc
 CACI  CACI International Inc Class A
 HEI  HEICO Corporation
 LHX  L3ハリス テクノロジー
 NOC  ノースロップグラマン
 HON   ハネウェル インターナショナル 消費財コングロマリット
 TDY  テラダインテクノロジーズ
 LMT   ロッキード・マーチン 防衛
 RTX  レイセオン

だいたいの予想記事は、この2つのETFをベースに語られていることが多いと感じますが。。。。これらはARKとはまったくかかわりのないもので、「宇宙(という名の人工衛星産業)」というファジーすぎるキーワードでつながりがある、というだけのもの。もうちょっとARKXの銘柄探しに有力なものってないのでしょうか? いや、あるんです。ARKが実際に「宇宙」でかかわっているファンドが

グローバル・スペース株式ファンド

ARKがアドバイスしている宇宙ファンドが、なんと、日本にあります。グローバル・スペース株式ファンドです。

で、2ページ目にARK社の助言をもとに、って書いてあります。

わたしはまず、ここにリストされている構成銘柄を最有力候補、と考えるのが妥当ではないか、と思うので、ここを中心に考察をしたいと思います。

グローバル・スペース株式ファンドの組み入れ上位10銘柄とその変遷

最新(2020年12月30日のマンスリーリポート)のレポートによると、上位10銘柄は以下の通り。noteの記事執筆時点で資料にしていた11月のものと比べると、ヴァージンギャラクの順位が下がり、ハネウェルが圏外に。ストラタシスが復活しています。

 IRDM    イリジウム・コミュニケーションズ 電気通信サービス
 TRMB    トリンブル ソフトウェア
 FLIR    FLIR システムズ 通信 & ネットワーク
 KTOS    クラトス ディフェンス&セキュリティー 航空宇宙 & 防衛
 SPCE   ヴァージンギャラクティック 航空宇宙 & 防衛
 JD    JD.com Inc 小売
 LMT   ロッキード・マーチン 防衛
 LHX    L3ハリス テクノロジー 航空宇宙 & 防衛
 SSYS   ストラタシス 電子機器 & 部品
 DE    ディアー 重機

 

2018年発足時点の銘柄一覧は、以下の通り。トップ10から外れた銘柄を、青字で示してみます。

 IRDM    イリジウム・コミュニケーションズ 電気通信サービス
 XLNX   ザイリンクス
 TRMB    トリンブル ソフトウェア
 SPLK   スプランク ソフトウエア
 AVAV   エアロバイロメント 航空宇宙&防衛
 LMT     ロッキード・マーチン 防衛
 PRLB   プロトラブズ 工業機械&機器
 SSYS    ストラタシス 電子機器 & 部品
 FLIR    FLIR システムズ 通信 & ネットワーク
 DASTY   ダッソー・システムズ(仏) ソフトウェア

最新と発足時の比較だと、期間がありすぎるので、コロナ暴落がやんで反発が本格化した2020年6月のマンスリーレポートにリストされた10銘柄をあげてみます。

 IRDM    イリジウム・コミュニケーションズ 電気通信サービス
 AVAV   エアロバイロメント 航空宇宙&防衛
 PRLB   プロトラブズ 工業機械&機器
 TRMB    トリンブル ソフトウェア
 SPLK   スプランク ソフトウエア
 SSYS    ストラタシス 電子機器 & 部品
 XLNX   ザイリンクス 半導体
 LMT     ロッキード・マーチン 防衛
 ADSK   オートデスク ソフトウェア
 AMZN   アマゾン 小売り

この3つのサイクルで、常にトップ10に君臨した銘柄は4つ。これはARKXでもトップ10に採用されるのではないかと思います。

 IRDM    イリジウム・コミュニケーションズ 電気通信サービス
 TRMB    トリンブル ソフトウェア(ドローン機器)
 LMT     ロッキード・マーチン 防衛(ロケット
 SSYS    ストラタシス 電子機器 & 部品(3Dプリンター)

 

ARKQ(グローバル・スペース株式ファンドに非常に近い構成)

ARKがすでに運用しているARKQは、ロボティックスと自動運転について注目している銘柄を集めたETFです。2021年2月11日現在のトップ10銘柄は、以下のとおりです。

 TSLA  TESLA INC
 BIDU  BAIDU INC – SPON ADR
 TRMB  TRIMBLE INC
 JD  JD.COM INC-ADR
 DE  DEERE & CO
 MTLS  MATERIALISE NV-ADR
 KTOS  KRATOS DEFENSE & SECURITY
 GOOG  ALPHABET INC-CL C
 TER  TERADYNE INC
 NXPI  NXP SEMICONDUCTORS NV

これを見ると明らかですが、グローバル・スペース株式ファンドとかなりかぶります。UFO、ROKTと重なる銘柄のほかにかぶっている銘柄は以下の通り。

 DE  DEERE & CO(農業機械、建設 *分野フィットするか?

 JD  JD.COM INC-ADR(小売り・ドローン輸送 *分野対象外なので次点扱い

JDは小売りセクターに入るため、そもそもチョイスされないかもしれない銘柄ですが、ドローン輸送という点では無視できない銘柄だな、と思っているので、いちおうリスト化。DEもセクターは一致するものの、インダストリーは「Farm & Heavy Construction Machinery」に入るのでどうなのか、と思っていますが、いちおうリストします。

UFO、ROKTと共通する銘柄から

グローバル・スペース株式ファンドで異彩を放つのがヴァージンギャラクティック。純粋に宇宙旅行を実現するための会社で、誰もが知る銘柄です。宇宙旅行銘柄として広い認知を獲得しているにもかかわらず、ファンドでのトップ10入りは2020年7月以降とかなり最近でした。確実に採用される枠としてリストすべきでしょう。

 SPCE   ヴァージンギャラクティック 宇宙旅行

グローバル・スペース株式ファンドのその他トップ10銘柄はどうでしょうか。ROKT、UFOにもリストされている銘柄を調べてみると、LHXが該当します。

 LHX  L3ハリス (航空管制・痴情空間システム)

さらに、ROKTとUFOで共通する銘柄を探してみると、以下の銘柄がリストされます。

 MAXR  Maxar Technologies Inc
 RTX  レイセオン

ちなみにLMTは3つのファンドすべてに名を連ねていました。

ARKXのトップ10銘柄を具体的に選んでみる(Aerial Drones

ARKXで出てくるキーワードは、おおよそ宇宙と関係がないよな、というようなものがあり、それが「Aerial Drones」です。「空飛ぶクルマ」という概念などもそうですが、それだと対象が広がりすぎます。上記のETFやファンドがどんなテーマの株をとりあげているかを考えていくと、「人を乗せるドローンの開発」「アーバンエアモビリティ(都心部の車の渋滞解消を、空のルートで改善する短距離輸送型交通手段の開発)」「エアタクシー(個別ニーズに対応して一定のルートを行き来する自動操縦型のドローン輸送システム開発)」というのが妥当なのではないか、と思い、「まず人を乗せるドローンを作ったか?」に焦点を当てて探してみました。まず、人を乗せた実績を有する会社はわたしの調査では以下の4社でした。

イーハン(億航智能) 中国 EH

人を乗せるドローンでは世界最速で開発を成し遂げています。当然、米国NASDAQに上場している企業です。

Volocoptor ドイツ

シリーズCまで資金調達を終え、動画の通り有人飛行モジュールはすでに飛行試験を重ねています。

スカイドライブ 日本

日本でも人を乗せたドローン開発がありました。が、トヨタでもパナソニックでもなく、ベンチャーであるスカイドライブ社によるものでした。

OPENER

一人乗りVTOL機BlackFlyの開発を手掛ける会社。Googleのラリーペイジが出資している。開発は秘密裏に行われ(?)ある日突然名前が出てきた感。2018年に有人飛行を達成し、以来2021年1月まで1500回以上のテストフライトを行っている、としている。

これらの会社で上場している会社は、イーハンのみです。この実績から、この分野ではイーハンが組み入れトップ10に入るのではないか、と予想します。

 EH  イーハン(億航智能)(ドローンタクシー) 中国

*イーハンに関する注意。2021年2月16日、空売り筋が不正会計ではないか、というレポートを発表し、EHは1日で60%超の暴落をしています。真偽がはっきりするまで、投資は慎重に。しかし、実態としてドローンは人を乗せて飛行していますので、組み入れ候補として私はここでは維持します。

その他要素から組み入れ上位になりそうな銘柄(ETF、ファンドの中から

NASAとの提携や関連技術の実装など、テーマをあげていくときりがなくなるので、その一部はあとでまとめるとして、ひとまず今までリストしたETFやファンドの中から、常連銘柄ではないもののARKXが掲げるテーマやキーワードにフィットしているなあ、と感じたのは、以下の銘柄です。

 HON  ハネウェル インターナショナル(ドローン基幹技術)

ハネウェルはドローンの基幹技術で有名で自動運転ドローン、エア・タクシー、荷物配達ビークルに特化した無人飛行システム事業を立ち上げるなどドローン事業強化に乗り出している銘柄です。

 FLIR    FLIR システムズ 通信 & ネットワーク

グローバル・スペース株式ファンドの中でじわじわと構成比率を上げている銘柄で、監視用および撮影用の小型自動運転車やドローンを提供している会社です。上空からの撮影需要が増えているので、ドローンを使った事業が伸びているとのこと。

 CSF.F タレスグループ OTCPK:THLE.F or Thales S.A. (フランクフルト市場)

グローバル・スペース株式ファンドの発足当初のトップ10銘柄に名を連ねていた、世界的な人工衛星製造メーカーです。海外枠を考えると、中国、イスラエル、イギリス、EU圏からは1票ずつ集まるのではないか、と勝手に妄想してみたところ、EU圏の代表銘柄としてはこれではないか、と。

組み入れ上位大穴候補

ネタとして、宇宙やドローン、エアタクシーで、現実的に組み入れられる要素を備えているのか判断が付きかねない銘柄を数件あげておきます。

 LDOS レイドス(ITネットワーク管理、船舶自動航行、AIなど)

レイドスは船舶自動航行技術やネットワーク管理で定評がある軍需系企業です。NASAのシステム運用なども受注するようになってきてて、ARKXがリスク面で言及した「プロフェッショナルサービス」「コンサルティングサービス」に該当するのではないか、と。もっと大穴はパランティアテクノロジーズ($PLTR)ですが、それはやりすぎな気がw

 UBER ウーバーテクノロジーズ

空飛ぶタクシー事業Elevate(エレベート)をJody Aviationに譲渡し、かつJoby Aviationに7500万ドルの追加投資を実施しました。UBERは、配車事業と配達事業に経営資源を集中し立て直しを図りながら、マイクロモビリティー、流通、自動運転車のキーは握ったままという、一種の投資会社(ソフトバンクみたいな?)の体をなす感じに見えてて、業績不振企業にも投資する、とするARKXの方針にパスするのではないか、と思いました。ただしUBERのセクターは「Technology」 でインダストリーは「Software—Application」なので、そもそもARKXの投資対象から外れているかもしれません。

 TER テラダイン(ロボティックス)

テラダインは半導体の後工程の検査機器の会社、という認識でしたが、ユニバーサルロボットを買収後はロボティックス企業としていろいろなイノベーションを起こしている企業です。ROKTにもリストされていますし、ARKXが掲げるロボテックスのテーマにも合致します。

 GOGO Gogo Inc.

衛星通信会社のIntelsatが$400mで買収をした、飛行機内WiFi提供会社。Intelsatは2020年3月に業績不振で経営破たんし、米国市場から姿を消しましたが、同年7月にイギリス政府とインドの通信会社により買収され復活。通信衛星を介したインターネット接続サービスOneWebが完全復活し、さらに通信衛星打ち上げを行った。その復活過程でGOGOの買収は収益に寄与する、として米国政府から承認されたわけで、GOGOのWifiは今後OneWebの通信衛星経由で受信することができるなどシナジーが高い。ポストコロナでどれだけ航空業界が復活するかはわからないですが、今よりよくなることは確実ということで、ARKXの初期割安アタック銘柄としてありえるのではないか、と思いました。

 IHICY IHI

言わずと知れた、IHI。旧名石川島播磨重工業。日本の宇宙産業の中核・H3ロケットは低コスト低燃費です。日本人なので、日本枠を勝手に設けてみました。ADRにおける同銘柄の分類は「Industrial(Specialty Industrial Machinery)」で条件にも合致します。京市場の株価に対して、ADR株価はその4分の1なところに注目が集まるか?というところで、「ADR枠も買う」とARKが言ってるなら、割安面、技術面とセットであるのではないか、と思います。ただし、出来高が恐ろしく少ないので、じわじわと買って30位くらいにぴょこっと出てくるか、上位に組み込みたければ東京市場枠で買ってくることも。

 

候補銘柄、どう順位づけるか?

結論から言うと、わかりません。時価総額順や割安感や成長可能性などから見てみましたが、ベンチマークであるグローバル・スペース株式ファンドの傾向がつかめない。どうしたものかと。

まず、候補20銘柄(次点含む)を2月12日現在の終値をもとに時価総額の高い順に並べてみました。グローバル・スペース株式ファンド(GS)にリストされている銘柄は10銘柄中9エントリーしているのですが、それらの順位も付与してみます(「GSの順位」というところ)。

さらに、SimplyWallStの理論株価と今後3年間の成長率予測をそれぞれの銘柄でリストしました。

理論株価と2/12終値を比較して、理論株価の方が高いものは黄色で、やや株価の方が超過しているものを緑で、理論株価を大きく超えてしまっているものをグレーで示しています(大きく離れるほど濃いグレー)。

時価総額が高めの銘柄は、トップ5に入らないかな、という印象です。たとえばボーイングはGS発足時の組み入れ順位は10位でしたし、ハネウェルもマンスリーレポートでは10位に顔を出すことがあったくらいなのです。

ETF発足からすぐに買い集める場合、割高銘柄を分厚くすることはないのではないか?

となると、SPCE(ヴァージン)もGS通り2位から5位に陥落している経緯に納得できます。ARKXにも同じことが起きるような気がしています。

EHはどうなるか。真偽がはっきりして問題ない、となったときは、トップ5に入るのは確実ではないか、と思うのです。60%も下げてくれたのでリカバリー市場でも元に戻るには時間がかかるでしょう。小型株なので、トップ3には入らないと思いますが、現実味はあるな、と思います。

そんなこんなで、時価総額をひっくり返して、トップ10候補を絞り込むと、こんな感じになりました。

さらに、IHIを追加したので、最新株価をもとに改めて表を作ると、以下になります(3/27追加)

競馬の予想じゃないですが、◎(ほぼ確実でしょう)>○(対抗馬的に採用される)>▲(3番手的な高確率9>穴(文字通り穴銘柄)>大穴(超サプライズが伴う穴銘柄)>?(EH専用・審議待ち)の順にランクしています。

6~10位は、時価総額が分厚い銘柄です。配当などもゲットできるので、軍需系で20位から中段グループを作るのに最適な気がします。また軍需系はオールラウンダーでもあるので、今後特化型銘柄(たとえば$ABBみたいな宇宙望遠鏡の部品特化型)とのバランスで10位寄りの位置に押し上げられることになるかと。

5位前後、として2つ挙げていますが、ヴァージンの評価をどうするか、になりそうです。宇宙系の上場の道を切り開いたパイオニア銘柄であり、かつ宇宙旅行実用化間近という実態面でも要素をクリアしているので、理論株価が低いとはいえ成果に伴う未来予想は無限です。MAXRはUFOでも上位ですが、将来成長性がマイナス予想となっているので、これがネックで6~10位グループに入ってしまうかもしれない、と予想します。

Top5の鉄板はイリジウムでしょう。フェアバリューのFLIRシステムズと抱き合わせで、割安のL3ハリスか穴銘柄が飛び込んでくるかな、というところです。

トップ5入りの穴銘柄。並べてみると、面白いですね。「事件」がなければイーハン確実でしたが、事件前の株価は割高。事件があって暴落して、そのリカバリー中の株価なら逆に妙味が出てきます。審議結果が「問題なし」だとしたら、確実にトップ10圏内だと思っています。

もうひとつのトップ5入り穴銘柄としては、UBERです。そもそもセクターが違うかもしれないのでなんとも言えないですが、セクターOKの場合、面白いポジショニングになる気がしています。

上場を待つ本命たち

宇宙ETFを人工衛星関連のETFとして改めて見ても、あきらかに「この会社がない!」というものが多くあります。未来のテーマとして月面着陸、火星移住、そしてスペースコロニーに近い関連技術という要素まで広げると、ざっとリストするだけで以下のような未上場企業がありますよね。しかも多くの人が知ってます。

Space X

火星移住をミッションに設立された宇宙開発企業。テスラのイーロンマスクが創立。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: pexels-spacex-23769-1024x576.jpg

火星に行くために必要な技術を、衛星打ち上げや宇宙インターネットリンクなどでマネタイズしながら、再利用可能なロケット運用、国際宇宙ステーションという「近場」に無人輸送船を打ち上げるフライトで実績を着々と積み上げていってます。元ZOZO前澤社長が参加することで日本国内で有名になった月旅行プロジェクトもSpaceXのプランで、これも火星移住に必要な技術の前振りにすぎません。ロケットの開発コストの劇的削減や、電線なしで地球上のどこからでもインターネットにアクセスできる概念など、ゲームチェンジャー要素がひとつやふたつではないトンデモ企業。世界の投資家が上場を待ち望む会社であることは間違いないのです。

衛星ネット回線が世界でリリースされると、巨大なサブスクリプション事案となり、安定収益の柱ができあがります。これをもって上場をする可能性が非常に高まっていて、とくに注視していきたい会社ですね。

Virgin Orbit

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Virgin_Orbit_88__3_-e1590439784881-1024x768.jpg
by Virgin Orbit

小型人工衛星を1000万ドル以下で打ち上げることを掲げて発足したヴァージングループの会社。ヴァージンギャラクティック同様高高度でロケットを発射して衛星軌道上にそれを打ち上げるスタイルで、現在市場ニーズである300㎏クラスの人工衛星打ち上げに対応した構成を構築中。ヴァージンギャラクティックからスピンオフした会社です。この、空中射出システム「エアローンチ」は、ロケット射出系企業にとっては非常に使い勝手が良い仕組み。発射台を持たなくてよい、母船が飛べれば天候はほぼ関係ない、打ち上げに関する各種通行規制を心配しなくてよい、大分から出発しても(大分空港と打ち上げ基盤の提携をしている)、南極から出発しても発射場所を選ばない、というように。2021年2月現在、小型衛星を10個打ち上げるのに成功しています。

Blue Origin

amazon創業者ジェフベソス率いる宇宙開発企業。準弾道飛行による宇宙船開発で宇宙旅行を安価に実現するとりくみをしていますが、途中条件変更などを経て、2021年現在2段式の有人宇宙飛行用モジュールの開発に成功しています。NASAの第2の月面着陸計画であるアルテミス計画の最終選考3グループのうち1つを率いる幹事企業として大注目されています。【2021年2月14日現在

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: content-1575374103-artemis.jpg

Bigelow Aerospace

宇宙空間に打ち上げた後に風船のように空気で膨らませて作業空間を広く確保する宇宙ステーション(宇宙ホテル)の開発をする企業。ISSで実験済み。これが実現すると、月面探査の基地や宇宙空間移動における居住棟の確保など、幅広い運用の基礎技術ができるわけで。さらに宇宙ステーション運営も。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 20210211-02Begelow-1024x518.png
ビゲロー社HPより

Joby Aviation

ARKXの地球圏内テーマ「アエリアルドローン」の筆頭候補で「空のテスラ」と目されているのがJobyAviation。2021年現在、UBERの空飛ぶタクシー研究開発部門を逆買収し、UBERが資本参加する形で実現可能性を一気に高めた企業です。IPOのうわさもちらほら出ています。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 20210212-02JobyAviation.png

Redwire

宇宙開発企業のコングロマリット化を急速に推し進める会社。投資ファンドであるAEインダストリアルパートナーズがファンドを通じてAdcole Space社とDeep Space Systems社を合併・買収し、Redwireを創設しました。AEはその後もRedwireに資金提供をしながら、Made In Space(宇宙空間で3Dプリンターを作る)、Oakman Aerospace(デジタルエンジニアリングと宇宙船開発)、Roccor(宇宙船用の展開可​​能なブーム、構造物、アンテナ、熱製品、ソーラーアレイを供給)、LoadPath(ペイロードアダプターや宇宙空間で展開可能な構造物の開発)と立て続けに宇宙開発企業を買収し、拡大しています。Made In Spaceは、宇宙空間で3Dプリンターを稼働させる技術を持つ会社で、ARKXの6つのテーマのうちの3Dプリンターに該当しますし、ほかの会社の技術もEnabling Technologyを担う十分な特殊技術を持つ会社ばかりです。M&Aのペースが早く、今後も数社合併を想定していますが、上場はこれら買収会社が数社でシナジーを出すくらいから具体化するのではないか、と思います。

Redwireの構成会社リスト【2021年2月18日現在)
・Adcole Spac
・Deep Space Systems
・Made In Space(宇宙空間で3Dプリンターを作る)
・Oakman Aerospace(デジタルエンジニアリングと宇宙船開発)
・Roccor(宇宙船用の展開可​​能なブーム、構造物、アンテナ、熱製品、ソーラーアレイを供給)
・LoadPath(ペイロードアダプターや宇宙空間で展開可能な構造物の開発)

iSpace(中国:北京星际荣耀空间科技股份有限公司)

固体ロケットで、2019年7月に中国の民間企業として初めて人工衛星の軌道投入に成功した企業です。上海株式市場が運営する証券市場であるStar Marketへの上場の可能性があり、2021年2月現在、同社はシリーズB(1億7300万ドル)の調達を成功させて新型ロケット開発をしているそうです。

Rocket Lab

小型の人工衛星打ち上げを格安で請け負うロケット打ち上げベンチャー。2021年2月14日現在、97個の人工衛星打ち上げを達成しています。$VACQ (Vector Acquisition Corporation)と2021年Q2に合併完了予定。「RKLB」でNASDAQに上場することが決まったそうです

BlackSky

SPAC銘柄。$SFTW(Osprey Technology Acquisition Corp.)と2021年Q2に合併完了予定。Spire Globalと同じ衛星コンステレーション事業を展開。保有は5機(2021年3月26日現在)。2021年に9機追加予定。最終的には60機打ち上げる。30分毎に画像データを更新し、地球各部のリアルタイムに近いビューを提供し、またそれらの画像をこれまでの他社の1/10の料金で提供する体制づくりを目指す。

AST & Science LLC

SPAC銘柄。$NPA(New Providence Acquisition)と2021年Q1に合併完了予定。ティッカーはASTSになり、さらに社名がAST SpaceMobileに変更予定。特殊なハードウェアを必要とせず既存の携帯電話に直接シームレスなブロードバンド携帯電話接続を提供する。

Spire Global

SPAC銘柄 $NSH (NavSight Holdings)と2021年夏に合併し、$SPIRとしてNYSEに上場予定
衛星コンステレーション。小型人工衛星100基以上を駆使し、ラジオ周波数を使って地球の観測データを収集している。データレイク(データの湖)を宇宙に作りだし、そのデータを活用したい企業と提携し、使ってもらうサブスクリプションがビジネスモデル。プロダクトを開発は提携会社ごとに異なるし、自由だ。たとえば、海洋データを活用して自動船舶識別装置(AIS)を使っていない船舶の行動(=海賊とか)を宇宙から監視することができたりする。

 

SPAC上場が決まりそうだけど、実績がイマイチな会社

2021年2月14日現在、宇宙開発関連でSPAC上場の手続きに入った、あるいは模索している企業がわたしの調査で2社つきとめています。が、どちらも実績がイマイチで、ARKXの保有対象になるかどうかは微妙です。

Astra Space(ASTR) × Holicity

本家のHPは、サギアルトコインみたいなページでイケてなかったので、こっちのキャプチャーを使います。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 20210214-04Holiity-1024x533.png

「応用科学を通じて、人類が地球上および宇宙でどのように生活し、働き、遊ぶかに影響を与える地球規模の問題を解決することに専念する」とHPに書いてありますが、正直何をしたいのかわからない会社です。SPAC上場でHolicityと合併ののち、$ASTRのティッカーで流通することが決まっています。評価額は21億ドルだそうです。2025年に300回の打ち上げを計画しており、すでに50件の契約を結んでいる、としています。300回の打ち上げは、かなりビッグマウスです。実際にアストラは軌道実験を2回しか実施しておらず、直近の実験は成功したとは言えない内容です。Holicityのキャプチャーにある通り、いちおうアラスカでロケットを打ち上げるだけのところまで持って行っているので、あとは成果に結びつく打ち上げをいつ達成するのか、という秒読み段階であることは確かです。すべてがうまくいった場合(っていうか、宇宙開発ですべてうまくいくなんてありえないけど)売上高は現状の400万ドルから2025年には15億ドルにジャンプアップしますが。。。

Momentus(MNTS ) × Stable Road Capital

リーズナブルなコストで宇宙輸送をがんばる企業。Stable Road Capital($SRAC)と合併して上場へ。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 20210214-05momentus-1024x535.png

評価額は$1.2Bと超破格。Space X、LMT、NASAと取引が成立している。

◆ ◆ ◆ ◆

宇宙開発ベンチャーは星の数ほどありますが、NASAなど国際宇宙機関との協業を実現している会社で何らかの特徴を持っている会社が今後の成長の柱になりそうで、私がチェックしている範囲では以上のような企業かな、と思っています。当然ですが、付け焼刃的な調査なので、宇宙関連ではもっと有名な企業があるかもしれません。少なくとも私の調査でひっかかったこれらはもちろん上場の可能性があって、投資に参加できる期待でチョイスしてみたものです。自動車業界に広げると、コンセプト発表ベースの企業は無数にありますし(GMやアストンマーティンなど)、どれも期待したいですが、実績が伴っていることと、3月に発足するARKXの組み入れに足る内容を持っているのか、を重視しています。大きなところの子会社がスペース部門として参画しているところがありますが、これらは重複上場になる可能性があるため、可能性から外しています。たとえばレイドスの子会社ダイネティクスはアルテミス計画の筆頭企業ですが親子関係を考慮して上場はない、と思っているため、リストからは外れています。

セクター別の宇宙関連企業を調査する

Industrial 分野で探してみたところ、以下の3銘柄を候補に挙げます。

HURC(Hurco Companies, Inc.):

航空宇宙にかかわる金属切削業界向けの精密工具、金型などを提供

TRS (TriMas Corporation):

ノースロップのOmegAロケットの推進システムのコンポーネント提供

ESLT (Elbit Systems Ltd.):

イスラエルの総合防衛システムメーカー。宇宙分野にも進出。ARKQにもリストされている

 

セクター外だけど気になった銘柄

ARKXの対象外セクターですが、宇宙関連で発見した銘柄一覧。とくに気になっている4つ。

BLL (Ball Corporation)
セクター:Consumer Cyclical(Packaging & Containers)
地上画像のセンシング。NASAと契約あり

KM (Kinder Morgan, Inc. ) 
セクター:Energy(Oil & Gas Midstream)
コンデンサ製造メーカー。航空宇宙システム向けも製造

HAYN (Haynes International, Inc.)
セクター:Industrials(Metal Fabrication)
高性能合金の開発、製造、販売を行う。NASAと契約あり

BELFB(Bel Fuse Inc. )
セクター:Technology(Electronic Components)
磁気、モジュール、回路保護装置および相互接続製品の設計、製造

ABB (ABB Ltd)
セクター:Industrials(Electrical Equipment & Parts)
宇宙望遠鏡の重要パーツ提供

BE (Bloom Energy Corporation)
セクター:Industrials(Electrical Equipment & Parts)
火星で使う燃料電池 創業者が元NASAで火星コロニー計画に参加していた。

AEIS (Advanced Energy Industries, Inc.)
セクター:Industrials(Electrical Equipment & Parts)
低電圧電源ソリューション

NVT (nVent Electric pl)
セクター:Industrials(Electrical Equipment & Parts)
電気接続および保護製品の設計、製造、販売、設置、およびサービス

ENS (EnerSys)
セクター:Industrials(Electrical Equipment & Parts)
航空宇宙、エネルギー、電子分野向けにリチウム、触媒、臭素、などの製品を製造販売

FUWAY
セクター:Industrials(Electrical Equipment & Parts)
古川電気工業のADR。電源の軽量化・低コスト化。東京市場の株価比50%で価格推移中の超割安に目が行くなら。

まとめ

宇宙関連ETFと言っても実際には人工衛星分野のETFで、それでは銘柄数が足りないのでドローンなどを加えて発足させている、というのが実態です。スペースコロニーや月面基地、火星移住にはほどとおいイメージなのです。

上場を待つ本命たちも徐々に、打ち上げ分野から上場を実現していく雰囲気があるので、今回の予想銘柄はほとんどが「前座」になる可能性があります。5年後、はたして何銘柄がARKXに残っていられるのか、というところです。が、発足する以上は現状のベストメンバーをそろえなければいけないわけで、今回の予想は既存の関連ファンドやETFをもとに、独自の調査結果を加えて構成してみました。

ARKのETFはサクソバンク証券でしか買えない不利を私たちは抱えていますが、そのエッセンスをもとに個別銘柄を選ぶ楽しみがあることも事実。無限の可能性をもつ宇宙分野に、ひとつかふたつ、ポートフォリオに加えたいですね。

3/30発表38銘柄でスタートも。。理解不能の銘柄が多い

そして38銘柄でスタートしました。まずは的中かどうかを見てみます。構成銘柄は以下の通り。ほぼ完全的中は黄色で、予想した銘柄が入っていたのは青で塗ってます。

1 TRMB トリンブル(6-10位予想だった
2 PRNT UFTHE 3D PRINTING ETF
3 KTOS KRATOS DEFENSE & SECURITY
4 LHX L3ハリス(順位的中4.94
5 JD JD.COM(6-10位穴候補だった
6 6301 KOMATSU
7 LMT ロッキードマーチン(6位予想だった
8 IRDM イリジウム(1位予想だった
9 HO ターレス(5位以内穴予想だった
10 BA ボーイング(5-10位以内穴予想で的中
11 NVDA NVIDIA CORP
12 SPR SPIRIT AEROSYSTEMS
13 DE ディーア(6-10位予想だった
14 AMZN AMAZON.COM
15 TER TERADYNE INC
16 GOOG ALPHABET INC-CL C
17 TDY TELEDYNE TECHNOLOGIES INC
18 DSY DASSAULT SYSTEMES SE
19 GRMN UGARMIN LTD
20 SPCE ヴァージンギャラク(5位前後予想だった
21 RAVN RAVEN INDUSTRIES INC
22 BABA ALIBABA GROUP HOLDING-SP ADR
23 AIR AIRBUS SE
24 AVAV AEROVIRONMENT INC
25 ESLT ELBIT SYSTEMS LTD
26 NFLX NETFLIX INC
27 HON ハネウェル(6-10位予想だった
28 HEI HEICO CORP
29 WKHS WORKHORSE GROUP INC
30 ANSS ANSYS INC
31 TSM TAIWAN SEMICONDUCTOR-SP ADR
32 SNPS SYNOPSYS INC
33 XLNX XILINX INC
34 TCEHY TENCENT HOLDINGS LTD-UNS ADR
35 3690 MEITUAN-CLASS B
36 ADSK AUTODESK INC
37 RTP REINVENT TECHNOLOGY-CLASS A
38 ACIC ATLAS CREST INVESTMENT COR-A

選外 LDOS FLIR AJRD MAXR GOGO EH SSYS UBER TER

トップ10の中では2つ的中。予想リストの中でトップ10入りしたのは、合計6銘柄となり、全銘柄の中では10銘柄となりました。うーん、少ない。いやいや、よくわからない銘柄が多すぎる印象です。

グローバル・スペースファンド?

2020年12月30日版のトップ10。8銘柄が採用されたものの、トップ10には6銘柄でした。

 IRDM 8位
 TRMB 1位
 FLIR (選外)
 KTOS  3位
 SPCE 20位
 JD  5位
 LMT 7位
 LHX  4位
 SSYS (選外)
 DE  13位

2018年発足時の内容を見ても、トップ10の中では5銘柄。

 IRDM  8位  
 XLNX  33位
 TRMB  1位
 SPLK   選外
 AVAV   24位
 LMT   7位
 PRLB   (選外)
 SSYS   (選外)
 FLIR    (選外)
 DASTY   (選外)

変遷の中で8位から10位の入れ替わりの銘柄が軒並み入ってきた印象があるのは、BAやAMZNがリストされていたからかも。

2020年6月時の6位から10位

 XLNX   33位
 LMT   7位
 ADSK    (選外)
 AMZN   14位

「宇宙もあるかも」銘柄多数の謎

第1位のTRNBは、そもそもドローン機器あるいは3Dプリンティングの会社でメインテーマの宇宙でなく、サブテーマの3Dプリンターとドローンでの採用に見えます(ARKXの4テーマの中で勝手にサブテーマとしていますが、「Space」とつくならそれ以外はサブテーマだと思ってしまうだろ、というところから)。が、1位にリストとは。。。ちょっとおかしいと思わざるを得ません。

NVDA、TSMなどはチップ大手で、ほとんど多くのセミコンダクター製造を占める銘柄です。

BABA TCEHYなども、「大元」銘柄です。だったらソフトバンクが入っていてもおかしくないはずです。

要は「元も子もないチョイス」です。

NFLX??? ある海外投資家は「月旅行に行くときに見るテレビで必須だから」というジョークを言ってました。AIRも大元銘柄で、ドローンかな?というところですが、センスなさすぎでしょう。

最大の謎。重複

2位に3DプリンターのETFが入っているのが、もう、残念さMAXです。

PRNT / The 3D Printing ETF

このETFの構成銘柄トップ10銘柄のTRNBが、ARKXにおける1位で重複。3Dプリンターで有名なDDDなども入っているとはいえ、だったら39位以内に入れればいいじゃん、って思いました。

ひとまずスタート

謎と懐疑の評価の多いARKXですが、ひとまずスタートしたわけで、構成銘柄予想はまずまずの結果となりました。