2020年7月31日の現地時間朝、アップルは決算発表とともに、株式分割を発表しています。当日の株価はかなり上昇し、自分にとっては買われすぎ感が強くなりました。
チャート
飛びついていいのか?というのが基本的な疑問点です。持ったまま放さない、というのならば、いつ買ってもOKですが、バフェットと根競べを気にするなら、なるべく安く買ったほうがいい。
ファンダ的に心配な要素は、反トラスト法違反の公聴会。
またこのタイミングでそろって好決算ラッシュです(笑)。各社に向けられている疑惑は、端的に言うと以下のような感じ。
アマゾン:PB開発で疑惑。優先地位の悪用は競争法違反だよな?
アップル:APPストアの既定について独占的で競争法違反だよな?
Facebook:インスタ買収競合つぶしで反トラスト法違反じゃないの?
グーグル:主力サービスでの市場での独占的地位だよな?
まあまあぎりぎりやばそうなことばかりです。株式分割により市場の支持を得ることは、議員への圧力につながりますし。いいタイミングだったのではないか、と思います。
5回目の分割というのは、6回目も期待できますね。成熟企業化する前にもう1回か2回くらいあるんではないかと。アップルにはまだダイナミズムがあると思いますし。。分割を実施する企業は成長性を裏付けますし(といっても成長性予測では1桁%という数字も出ていますが)、今後も分割をする可能性が高いわけで。
発表の日、ぴゅーんと上がった
発表を受けてじわじわぴゅーんと上がりました。日本時間11時くらいにはこの情報をつかんでいたのに。。。買っておけばよかった。
さて、このタイミングでの買いは、どうなのか。
週足。ふがー。これは勇気のいる買いになりますね。
相当、いじわるに、ボリンジャーバンドをつけて、高値更新時の出来高を比較してみると。日足。
赤字は前回比よりも出来高が少なかったケース。ともに下落押し目を形成しています。今回の出来高「92.404M」は、ほかとくらべものにならない出来高急増による更新です。ただし、出来高急増の新高値・最高値です。窓も空いてます。
もっといじわるに週足w
週足におけるそれぞれの波における高値での出来高比較。おおむね、前回高値よりも大きい出来高を現出させると上昇は安定になる、という法則性はフォローしてますね。
ちなみにナスダックの週足はこんなかんじ。アップルと歩調を合わせるような感じの推移ですが、アップルの方がアウトパフォーム
過去2回の株式分割発表のときの状況はどうだったのか、をチャートで見てみると。
1.直近2014年の分割は?
緩やかに上昇ののち、急騰。そして押すことなく伸び続けていきました。これは自社株買いや配当増額など、複数の好決算内容が発表されたのと、ナスダック市況の調子がこのときよかったことも関係しています。
基準日近辺の株価90ドルとして、EPS1.28ドルなので、当時のPERは70.3倍。超割高だったのね。
2.ふたつ前の2005年のときはどうだったか?
分割前水準に戻すまで半年かかりました。これが早いのか遅いのか不明。しかし、ナスダック指数の動きと比較してみると、アップル株価は結局指数にひっぱられる状況で大きな下落相場になりました。
2005年の1QのEPSは、0.55ドル。株価は6ドルで計算すると、PERは10.9倍
さて、2020年の分割は?
市場要因。ナスダック。
移動平均線 日足 RSIは61%
きれいなフォロースルー。安定的上昇はすでに17週目に突入している。
移動平均線 週足 RSIは67.7%若干の過熱感?
一目の日足。
一目の週足。雲が下向きになった?
ナスダック13週線と週足のかい離が8.7%12%のかい離をつくったときは、その後2,3週間横這いでもたつく直近の過去履歴がある。押すことは考えられるものの、05年とは逆のトレンドでナスダックはミドルレンジの上昇トレンドにある、と言えそう。次の決算発表までゆるやかな上昇トレンドになるのか、というところ。
2005年は割安の中分割。ナスダック下げでつられて押した。
2014年は割高の中の分割。ナスダック順調で連れ高のまま戻ってこなかった。
2020年は、フェアバリューの中の分割。ナスダックは上昇トレンド05年と14年の両方の要素が入り混じった環境、と結論付けてもいいような。
分割発表から基準日までの期間
05年は 発表日2/11 基準日2/18 分割2/28 (配当権利落ち後の発表)
14年は 発表日4/23 基準日6/2 分割6/9(配当権利日直前の発表)
2020年は、発表日7/31、基準日8/24(8/21)分割8/31(配当権利日8/7)
発表サイクルは05年のパターンに非常に似ている。
まとめ
2株の成買い、1株を基準日までに処分、という作戦か。1株を押したときに買う、という考え方もあるが、14年のパターンのように思える。1株で期間中の値上がり益を取る。