株をやる人の多く、というかほとんどが「1億円稼ぐ!」というような金額目標を掲げているか、「アーリーリタイアメント」を目指すか、どちらかのようです。わたしも10年前はそんな目標設定をして専業投資家を一時期やったことがあります。が、それぞれの目標には穴があり、この解決をしないまま投資をしてしまうと、詰めが甘くなり成果はマイナスになっていくのをあまたの投資家を見て実感しました。わたしもその当事者となりました。
金額設定をしている人、その根拠はなんですか?
たとえば「1億円稼ぐ」という人多数ですが、どうして1億円なのか聞いてみると、はっきりした答えが返ってきません。たいていが「そのくらいあれば安全に、かつ豪華に毎日を過ごせる」程度のものです。金使いの荒い人は、1億円なんて1年もつかもたないか、じゃないのかなと思います。
アーリーリタイアメントしたあと、なにをするの?
自分のやりたくない仕事からおさらばして自由な生活をしたい、というような回答多数なのですが、何もしない毎日・毎日が日曜日な毎日を経験したことがありますか?何もしないで過ごすのって、かなり才能が必要です。
投資を目指さなければいけない理由がある
貨幣社会と資本主義に生きる以上、毎日の生活にはお金がかかるし、稼ぎがなければ行き詰ります。どんなに自給自足を実現しても、お金を払って手に入れるものは必ずあるわけで、人間は社会とつながりがなければ快適に生き続けることは難しい動物なのです。
ゆえに、アーリーリタイアメントして自分だけ自由になんて無理だし、お金を貯めたからと言って安全な毎日を過ごすためにはさじ加減をきびしくしなければ意味がなくなります。
そもそも、死ぬまでにいくら稼げばいいのか、今後起こりうる医療リスクをどうとらえるかによって、1000万円でヨシ、になるかもしれないし、10億円あっても足らない、になるかもしれず、振れ幅が広すぎるんですよね。
はっきりわかっていることは、お金を稼ぎ続ける必要がある、という1点のみです。
そして、そのお金の稼ぎ方を労働のみの手段にしていると、たいていの人の収入の道は60歳でぱったりと断たれてしまいます。
世界には大きく分けて3つのお金の稼ぎ方が存在します。
1.自分が労働してかせぐ
自分が労務を誰かに提供して対価を得るパターンです。パートタイムの時給ワーカーが最低レベルで、正社員もこれに入ります。うまくいけば芸能人のように自分の芸ひとつで大きく稼ぐことができることもあるでしょう。
しかし、会社員やパートタイムなど従業員となる人たちには「定年」や「年齢制限」「年齢差別」というものが存在し、60歳以降はぱったりとチャンスがなくなります。いや、35歳を過ぎたあたりから、この国の労働環境は高年齢層に厳しく差別的です。
また、このスタイルは当人が病気で倒れて休んでしまうと、たいていは無報酬になります。
2.他人に稼いでもらう
これは社長になって授業員を雇い、その人たちに働いてもらうことを指します。世の中には無数の会社が存在しますが、多くは赤字経営で、富をもたらしてくれるしくみを持った会社はかなり少ないのが実情です。成功しなければ大金を得ることは不可能、という厳しい現実が待っています。
3.資産に稼いでもらう
家賃収入や株取引のキャピタルゲイン、インカムゲインがこれにあたります。配当を得るしくみを築くと、本人が死んでも機能し続けますが、一定のロットが必要で、資産を築く必要があります。
人生100年も生きなければいけない時代で、60歳で収入の道が絶たれてしまう多くの人にとって、他人に稼いでもらうか、資産に稼いでもらうという道は避けて通れないわけです。
わたしはこの現実を考えた結果、資産に稼いでもらうことを選びました。
年収200万円
わたしは自営業を一度清算したことがあり、それ以降は事情により約1年間、ひきこもりで過ごさなければいけない時期がありました。負債の返済が毎月5万円あったのですが、それを含めて1年間で必要な支出はだいたい200万円でした。返済がなくなっても5万円の余裕資金は相当の贅沢ができます。ゆえに、わたしは年収200万円を配当で得る生活をまず獲得すべきである、と自覚していて、投資はその仕組みを作るために始めています。